飲食店の生ごみ処理と削減ガイド|廃棄コスト・悪臭を同時に減らす方法

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飲食店の生ごみは、放置すると廃棄コストと衛生リスクの両方を押し上げます。しかも厨房の調理くずや客席の食べ残しは毎日発生し、量を読みにくいのが実情です。そこでこの記事では、飲食店の生ごみ処理を「コスト」「衛生」「制度対応」の3点から整理します。そのうえで、業務用生ごみ処理機を使った削減の考え方と試算方法を解説します。

この記事の要点

・外食産業の食品ロスは年間約66万トンで、事業系全体の約29%を占めます。

・東京23区の事業系一般廃棄物は、基本処理手数料が1kgあたり46円です。

・生ごみの約70〜80%は水分で、水分を減らすことが廃棄量削減の近道です。

・年間100トン以上を排出する事業者には、食品リサイクル法の定期報告義務があります。

・消滅型バイオ式なら残さがほぼ出ず、保管の手間と悪臭リスクを同時に抑えられます。

1.飲食店の生ごみが経営課題になる理由

外食産業の食品ロスは年間約66万トン

環境省の推計では、令和5年度の食品ロスは約464万トンでした。その内訳は、事業系が約231万トン、家庭系が約233万トンです。そしてこのうち外食産業は約66万トンで、事業系の約29%を占めます。つまり食品製造業の約108万トンに次いで、2番目に多い水準です。したがって飲食店は、削減余地が大きい業種と見られています。

生ごみの70〜80%は水分

また、自治体の案内によると、生ごみの水分は約70〜80%とされています。つまり重量の大半が水である以上、そのまま出せば処理費もそのまま増えます。逆に言えば、水分を減らすだけで廃棄量は大きく変わります。水切りや処理機の導入が有効なのは、この構造があるからです。

飲食店特有の「読みにくさ」

加えて飲食店の生ごみは、来店数と天候で日々量が変わります。例えば宴会やイベントが入れば、通常日の数倍になることもあります。ところがごみ庫の容量は固定なので、ピーク日にあふれやすくなります。つまりこの振れ幅こそが、現場の負担と衛生リスクを生む原因です。

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2. 生ごみが生む3つのコスト

① 廃棄コスト(処理手数料と収集運搬費)

まず、事業系のごみは、原則として事業者の費用負担で処理します。例えば東京23区では、基本処理手数料が1kgあたり46円に改定されました。また有料ごみ処理券は45リットルで391円、70リットルで609円です。一方、清掃工場へ直接持ち込む場合の手数料は、1kgあたり17円50銭です。なおいずれも令和5年10月1日からの金額です。

区分単価備考
基本処理手数料46.0円/kg令和5年10月1日改定。改定前は40.0円。
有料ごみ処理券10L87円/枚台東区の公表価格。
有料ごみ処理券45L391円/枚同上。
有料ごみ処理券70L609円/枚同上。
清掃工場への持込17円50銭/kg改定前は15円50銭。

さらに収集運搬費は別途かかるため、実際の負担はこれより大きくなります。ただし、単価は自治体と契約業者によって異なります。したがって、自店の請求書で、重量あたりの実質単価を確認してみてください。

② 人手とオペレーションの負担

次に、生ごみは重く、水分を含むほど運搬の負担が増えます。しかも閉店後のごみ出しは、片付けと重なって時間を取られがちです。さらに袋が破れれば、床の清掃という余計な作業も発生します。加えてごみ庫の容量が足りず、回収日まで置き場に困る店舗もあります。つまり人手不足の現場では、この作業時間が見過ごせないコストになります。

③ 衛生リスクとクレーム

そして、生ごみは悪臭の発生源になり、コバエやゴキブリを呼び込みます。しかも厨房やバックヤードの臭気は、客席や近隣にも伝わります。結果として口コミで臭いを指摘されると、集客にも影響しかねません。

なお、令和3年6月から、HACCPに沿った衛生管理が制度化されています。そして一般衛生管理には、廃棄物の取扱いやそ族・昆虫対策が含まれます。したがって生ごみの管理は、衛生管理計画の一部として説明できる状態が望まれます。

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3. 飲食店が押さえたい制度|食品リサイクル法

食品リサイクル法は、食品関連事業者に発生抑制と再生利用を求める法律です。そして飲食店を含む外食産業も、対象となる食品関連事業者に含まれます。具体的には、前年度の食品廃棄物等の発生量が100トン以上なら、定期報告の義務があります。さらに農林水産省は、業種別に再生利用等実施率の目標を設定しています。

業種再生利用等実施率の目標
食品製造業95%
食品卸売業75%
食品小売業65%
外食産業50%

このうち外食産業の目標は50%で、他業種より低く設定されています。というのも客席の食べ残しは異物が混ざりやすく、分別が難しいためです。つまりリサイクルに回しにくい以上、店内で減量する打ち手の価値が高まります。

しかも発生抑制量は、再生利用等実施率の計算にも算入されます。言い換えれば、減らすこと自体が制度上も評価される取り組みになります。

4. 飲食店の生ごみを減らす4つの打ち手

では、具体的に何から手をつければよいのでしょうか。打ち手は次の4つです。

  1. 仕入れと仕込みを見直し、そもそもの発生量を抑える
  2. 水切りを徹底し、重量の大半を占める水分を落とす
  3. 分別を整理し、資源化できるものを回収ルートに乗せる
  4. 業務用生ごみ処理機を導入し、店内で減量・分解する

たしかに、1と2は今日から始められます。しかし、削減幅には限界があります。とくに水切りは、作業を担うスタッフの負担が増えやすい打ち手です。また3は委託先の確保が前提であり、店舗の立地によっては選べません。一方、4の処理機は初期費用がかかるものの、削減幅と再現性で優れます。したがって複数を組み合わせると、無理なく効果を積み上げられます。

発生抑制はメニュー設計から

まず、食べ残しの多い料理は、量か味付けに理由があることが多いです。例えばハーフサイズの用意や、ご飯の量を選べる仕組みが有効です。さらに仕込み量の記録を残せば、廃棄の多い曜日が見えてきます。つまり発生量を測ることが、すべての打ち手の出発点になります。

リサイクル委託を選ぶときの確認点

次に、食品廃棄物の再生利用には、飼料化・肥料化・メタン化などがあります。そして食品リサイクル法は、飼料化を優先する考え方を示しています。ただし委託には、分別の徹底と一定の排出量が求められます。しかも回収頻度と単価によっては、現状より費用が上がることもあります。したがって委託と店内処理を比べるときは、年間の総額で判断してください。

水切りを続けるための工夫

また、水切りは効果が明確な一方、続かなければ意味がありません。そこで三角コーナーではなく、水切りネットと専用の受け皿を使います。さらに調理くずは、まとめて絞る担当と時間を決めると定着しやすいです。もっとも手間を惜しむ現場では、機械化のほうが結果的に安定します。

5. 業務用生ごみ処理機の方式と飲食店との相性

業務用の処理方式は、大きく乾燥式・バイオ式・ハイブリッド式に分かれます。そしてバイオ式はさらに、堆肥型と消滅型に分かれます。なお飲食店では、設置スペースと臭気対策が争点になりやすい傾向です。とくに処理後に何が残るかで、現場の運用負担が大きく変わります。

方式仕組み処理後に残るもの飲食店での向き
乾燥式加熱して水分を飛ばす乾燥した残さ衛生的だが電気代は高めになりやすい
バイオ式(堆肥型)微生物が分解し堆肥化する堆肥堆肥の引取先を確保できる店舗向き
バイオ式(消滅型)微生物が水と二酸化炭素に分解するほとんど残らない残さの保管場所を減らしたい店舗向き
ハイブリッド式乾燥と微生物分解を併用する約10分の1に減容基材交換が必要で価格は高めになりやすい

このうち飲食店で負担が大きいのは、処理後の残さを保管し運び出す工程です。その点、消滅型はこの残さがほぼ出ないため、工程そのものを省けます。そして当社が扱う消滅型バイオ式「ゴミサー」も、この考え方の設備です。具体的には生ごみを水と二酸化炭素に分解し、残さをほとんど出しません。したがって厨房のごみ庫を小さくできれば、そのスペースを別の用途に回せます。

6. 導入効果はいくらか|廃棄コストの試算例

導入判断では、削減額と維持費を並べて比べることが重要です。そこでここでは、東京23区の飲食店を想定し、簡易な試算を示します。前提は、1日50kgの生ごみを月26日営業で排出するケースです。そして単価は、基本処理手数料の46円/kgを使います。

項目計算金額の目安
月間の生ごみ量50kg × 26日1,300kg
月間の処理手数料1,300kg × 46円約59,800円
年間の処理手数料59,800円 × 12ヶ月約717,600円
処理機で8割減らせた場合717,600円 × 80%約574,000円の削減

ただし、この試算は、処理手数料のみを対象にしています。したがって収集運搬費やごみ袋代を含めれば、削減額はさらに増えます。一方で、処理機の電気代・消耗品・保守費は別途かかります。ゆえに実際の判断では、これらを差し引いた純増減で見てください。そのうえで初期費用を年間の純削減額で割れば、回収期間の目安が出ます。

なお、上記は前提を置いた概算です。実際の単価・排出量・機種により結果は変動します。したがって、導入前に、自店の実測値で再計算してください。

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7. 店舗規模別の選び方と設置の注意点

もっとも、最適な選択肢は店舗の規模によって変わります。

店舗規模1日の生ごみ量の目安検討の方向性
小規模(30席前後)10〜30kg小型機の導入か、水切り強化との併用を検討する
中規模(宴会・複数フロア)30〜80kg消滅型の中型機で保管工程そのものを削減する
大型店・チェーン80kg以上複数台または大型機を検討し、他店舗へ横展開する

また、設置には、電源容量・給排水・搬入経路の確認が欠かせません。なお厨房内が難しい場合は、バックヤードや屋外設置も選択肢です。さらに騒音と排熱は、近隣への配慮が必要な項目です。加えて賃貸物件では、設置の可否を事前に管理会社へ確認してください。そして投入口の高さは、日々の作業のしやすさに直結します。

8. 導入までの流れ

続いて、導入までの手順を時系列で整理します

  1. 1週間分の生ごみを計量し、現状の廃棄コストを把握する
  2. 設置候補場所の寸法・電源・給排水を確認する
  3. 方式と処理能力を絞り込み、複数社から見積もりを取る
  4. デモ機で実際の生ごみを処理し、臭気と処理時間を確かめる
  5. 回収シミュレーションを作成し、稟議資料にまとめる
  6. 補助金の対象可否を確認し、必要なら申請前に相談する

なかでも、デモ機での確認は、導入後のギャップを防ぐうえで有効です。というのも、自店の生ごみは、水分や油分の量が想定と異なる場合があります。その点、実機で処理してみれば、投入量の上限も体感できます。

また、補助金は交付決定前に発注すると対象外になる制度が多いです。したがって申請を考えるなら、契約前の段階で確認しておきましょう。

9. よくある質問

・Q. 設置すると臭いは出ませんか? → 消滅型は残さが出にくく、密閉構造と脱臭で臭気を抑えます。

・Q. 骨や貝殻も投入できますか? → 硬い異物は機種により制限があるため、仕様の確認が必要です。

・Q. 24時間の連続運転が必要ですか? → 微生物を安定させるため、連続運転を前提とする機種が多いです。

・Q. 補助金は使えますか? → 業務用は自治体助成の対象外が多く、国の補助金を検討します。

・Q. リース契約は可能ですか? → 取扱いは販売店により異なるため、見積時に確認してください。

・Q. 排水はそのまま流せますか? → 下水道の排除基準があるため、事前に自治体へ確認してください。

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10. まとめ

最後に要点を整理します。まず飲食店の生ごみは、廃棄コスト・人手・衛生の3つに同時に効いてきます。そして外食産業の再生利用等実施率の目標は50%で、店内での減量が現実的な打ち手です。したがって水切りや分別に加え、業務用処理機を組み合わせると効果が安定します。なかでも消滅型バイオ式は、残さの保管工程をなくせる点で飲食店と相性が良い方式です。まずは1週間の計量から始め、自店の数字で判断してください。

 

【参考情報源】

※手数料・制度・目標値は改定される場合があります。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。

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この記事の執筆者

株式会社フォーサイトグリーン

弊社は、生ごみ処理の問題、食の安全への配慮、感染症対策としての衛生環境の改善など、社会が直面する環境課題に対して、実行可能なソリューションを提供している企業です。